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岐阜地方裁判所 昭和55年(わ)144号 判決

本店所在地

岐阜県恵那市武並町竹折一三四五番地

有限会社 水野刃物製作所

右代表者代表取締役

水野義則

本籍並びに住居

岐阜県恵那市武並町竹折一三四五番地

会社役員

水野義則

昭和七年三月一〇日生

右両名に対する法人税法違反被告事件につき、当裁判所は、検察官宇野博出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人有限会社水野刃物製作所を罰金五〇〇万円に処する。

被告人水野義則を懲役五月に処する。

この裁判確定の日から二年間被告人水野義則に対する右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人有限会社水野刃物製作所は、岐阜県恵那市武並町竹折一三四五番地に本店を置き農機具の製造、販売等を業とする者、被告人水野義則は、同会社の代表取締役としてその業務全般を統轄している者であるが、被告人水野義則は右被告人会社の業務に関し法人税を免れようと企て

一  昭和五一年六月一日から同五二年五月三一日までの事業年度における、所得税額が二七、〇一四、六一九円で、これに対する法人税額が九、九五九、七〇〇円であるにもかかわらず、売上除外及びたな卸除外するなどの方法により所得の一部を秘匿したうえ、昭和五二年八月一日、岐阜県中津川市西宮町二番二号所在の中津川税務署において、同税務署長に対し、所得金額が、一五五、三八六円で、これに対する法人税額が三七、五〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、右不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額との差額九、九二二、二〇〇円を免れ、

二  昭和五二年六月一日から同五三年五月三一日までの事業年度における所得金額が一九、五二五、一九七円で、これに対する法人税額が六、九六一、三〇〇円であるのにもかかわらず、架空仕入・売上除外及びたな卸除外するなどの方法により所得の一部を秘匿したうえ、昭和五三年七月三一日、前記中津川税務署において、同税務署長に対し、所得金額が三、五九六、一〇四円で、これに対する法人税額が九九八、二〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、右不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額との差額五、九六三、一〇〇円を免れ

三  昭和五三年六月一日から同五四年五月三一日までの事業年度における所得金額が一八、八一四、四九五円で、これに対する法人税額が六、六八五、六〇〇円であるにもかかわらず、前同様の方法により所得の一部を秘匿したうえ、昭和五四年七月三一日、前記中津川税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が、一、六六七、六九四円で、これに対する法人税額が四六六、七〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、右不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額との差額六、二一八、九〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

被告人の当公判廷における供述のほか記録中の検察官請求証拠等関係カードの請求番号1ないし19、24ないし28、31ないし33、54の記載と同一であるから、これを引用する。

(法令の適用)

法人税法一五九条一項、一六四条一項、刑法四五条前段、四八条二項、四七条本文、一〇条、二五条一項。

(裁判官 笹本忠男)

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